ミラグロッソカイナンスポーツクラブ 公式サイト
サッカーに関する様々な質問、悩みにお答えします。
              Jリーガーがお答えすることも…
      すべてのご質問にお答えできないことをご了承下さい。
 回答は当コーナー内のみにてさせて頂きます。ご質問等は
メールで。

     正しいトレーニングのススメ
指導コーチ 体操協会 尾嵜隆之

チームが積極的に取り入れている、
「ストレッチ」「ベーシックトレーニング」
をストリーミングビデオにして発信しています。

チームではストリーミングビデオの様に専門スタッフによるトレーニングを行い、
子供達のケガを未然に防ぐと共に、"体幹"による動きを身に付けさせる事で、
将来につながる運動能力そのものの向上と健康体の形成を目指しています。
ストリーミングビデオページ


     健康体操新聞                          
                                 トレーナー 大森 一史

       第3号

☆人体を知ろう!

人間の身体と言えば、皆さん“難しい!”“分からない・・・”という言葉を良く耳にします。ところが、ひとつひとつを取り上げてみると意外と知っていることも多いものです。今回は、人体をトータルで考えてみましょう!

人体は、車の構造と良く似ています。むしろ人間の構造をマネして車の構造を考えたと言っても過言ではないと思います。倫理的には良くない事かもしれませんが、まず人体を車に例えてみます。

運転者              =     脳

ボディー             =     骨格

エンジン・ブレーキ        =     筋肉

ショックアブソーバー       =     関節と筋肉

ハンドル・アクセル・ブレーキペダル=     神経

ネジや蝶番            =     靭帯

グリス(油)           =     軟骨・関節液

ガソリン             =     食事

ガソリンタンク          =     体脂肪

タイヤ              =     靴

車の各部に人体をあてはめてみると、だいたいの機能が思い当たるでしょう。運転者がハンドルを握ってアクセルやブレーキを踏むことで車は動き出します。これと同じように、脳が身体の各部分に命令をするのです。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、“足が痛い!”と言っても、足が痛いのではなく脳が痛いと感じているのです。痛みの原因が足なのです。要するに足が悪くても、痛みを脳に伝達している神経や痛みを感じている脳自体をマヒさせてしまえば、足は痛くないのです。このように神経を麻酔薬で麻痺させる注射のことをブロック注射と言いますね。

脳が出した命令を身体各部に連絡する道が神経です。すなわち運転者の意図をタイヤやエンジンに伝える、ハンドル・アクセル・ブレーキペダルです。そして実際に車を動かすための原動力になるのが、エンジンです。人間の場合も筋肉が人体を動かします。燃料を必要とするところまで良く似ていますね。しかし人間の場合、動き出した身体を止める役割も筋肉が行います。車で言えばブレーキですね。そして人体は、筋肉に力が入ってなくてもバラバラにはなりません。これは靭帯が各関節を繋ぎ止めているからです。車の内部で言えば、蝶番やネジと同じ役割をしてくれています。

このように人間の身体を車や構造物に例えると、自分に足りないものが見つかりやすいものです。一度自分の身体に置き換えてみてはいかがでしょうか?

☆筋力トレーニングの基礎

筋力トレーニングには、大きく分けて二つの効果があります。この2つの効果はウオーキングやジョギングなどの持久力トレーニングやストレッチングなどの柔軟性トレーニングでは得がたいものですので、積極的に取り組まれることを願っています。

1つ目は、文字通り筋力の増強です。もちろん筋量の増大にもつながります。そうなると、女性の方は“ムキムキになるのはイヤ!”と言う方が多いのですが、女性の場合、大小はありますが、男性に比べて筋肉が付き難いように出来ています。これは女性ホルモンによるためですが、女性ホルモンには“筋肉を控えて脂肪を蓄えよう”とするためです。さらに、正しいフォームでトレーニングすると、綺麗なラインの筋肉をつけることができます。

さて、筋力の増強ですが、車に例えればエンジンを大きく強くするということです。単純に考えて、小さなエンジンより大きなエンジンの方が燃費(ガソリンを使う量)が悪いですよね。エンジンが大きい方が体脂肪を燃焼しやすいと言うことになります。さらに筋肉には“身体の動きを止めるブレーキ”に役割もしてくれています。例えば10トン車に軽自動車のブレーキをつけても、ブレーキが壊れるだけで車は止まりません。最近では、筋肉をつけてエンジンを大きくしたところで、体脂肪の燃焼に効果は少ないという意見もあるのですが、しかし現代の人には筋肉量が少なすぎるように思います。せめて自分の体重を正しい姿勢で支え、動き、止まるための筋肉量は維持したいものです。

続いて2つ目のねらいです。これは攻撃的なストレッチングということです。筋肉が収縮することで関節は動くのですが、この時筋肉は中央に向かって収縮する性質があります。時間的に細かく説明すると、脳が神経を介して筋肉に“収縮しなさい!”と指令を伝達します。すると筋肉が収縮を開始します。この時筋肉が収縮することで、筋肉の両端で骨に付着する部分(腱)が一過性に引き伸ばされ(伸張され)、腱が伸びきったところで骨を引っ張ります。その引っ張られる力で骨が動き出し、関節が動くと言うメカニズムになっています。腱は筋収縮に伴う骨への過剰な牽引力を防止するためのショックアブソーバーになっているのです。ですから筋肉を適度な力で積極的に収縮させることで、腱の柔軟性を得ることができるのです。逆に腱の柔軟性が欠如していた場合、腱断裂が生じます。アキレス腱断裂が良い例なのですが、筋肉の収縮力に対して腱の柔軟性が欠如していたため断裂することになったのです。この発生のメカニズムはオスグット・シュラッター病(膝)やセーバー病(踵部)の発生機転の1つとしても考えられています。

これまでストレッチングで柔軟性のトレーニングを行ってきましたが、ストレッチングで腱の柔軟性を得ることは非常に難しいことです。ストレッチングにて筋実質の柔軟性を、筋力トレーニングで腱の柔軟性を獲得しましょう。




   健康体操新聞                   
                                                           
トレーナー 大森 一史
         第2号 2004年1月21日

◎歩く時、走る時。

 歩く時、走る時に、ただ闇雲に運動していませんか?“毎日歩いているのに全然効果が出てこない!”という声を良く耳にします。これは、ただ歩いているだけになっている可能性があるのです。せっかく運動するのですから、効果が見えてこないと面白くない!これは誰もが感じることで、目に見える効果が無ければどれだけ意思が強くても続くものではありません。

 通販で売られている運動器具のうち、どれが一番効果があるのですか?と聞かれても、まずどんな器具でも続けることが第一なのです。そのためには効果を実感することも大切なことだと思います。そこで、心拍数を測る習慣をつけましょう!

 心拍は、オートマチックに制御されているもので、自分の意思で変化させられるものではありません。すなわち、最も良い指標になるのです。強度の強い運動をすれば心拍は早くなりますし、強度の弱い運動であれば安静時と変わらない心拍を刻むのが普通です。ですから運動強度を測るのに、心拍数は手軽で便利な指標となるのです。

まず安静時の脈拍を1分間測ってみましょう!それが第1歩です。次に下の公式に数字を当てはめていって下さい。

  (210−年齢)− 1分間安静時心拍数 = 1分間最大心拍数

 これが最大心拍数といって、心臓が“これ以上心拍を打てない数”ということになります。極限状態(火事場のクソ力)を発揮している時には最大心拍数を超えることもありますが、基本的にはこの数字を信用します。

 次に

  1分間最大心拍数 − 1分間安静時脈拍数 = 自分の心臓の可動範囲

 この計算で自分の心臓が動くことができる範囲が出てきます。この数字をパーセントすることで、ターゲットが生まれてくる訳です。例えば体脂肪を中心にした運動をターゲットにしたい場合40%から60%、筋力をターゲットにするのであれば60%から80%、心臓や循環器能力をターゲットにするのであれば80%以上となります。

 最後に、ここで出てきた数値にもう一度1分間安静時脈拍をプラスすれば、ターゲット脈拍数の出来上がりです。さぁ計算してみましょう!

  例)43歳で1分間の安静時脈拍数が75回の人が体脂肪燃焼を目的とした運動をしたい場合のターゲット心拍数。

  (210−43歳−75回)×40%+75回=141.8回

と言うことになります。ウオーキング時やジョギング時に141.8回の心拍数を目安にして行えば良いと言う事になります。

 しかし実際に運動している時に1分間立ち止まって脈拍を計測していると、脈拍が落ちてしまいます。実際の運動時には、10秒間計測し6倍すれば心拍数も落ちませんし、近似値を得ることが出来るでしょう。後の計算は歩きながら走りながら行えば良いと思います。

 このように運動をしていると、まず心拍数に変化が現れてきます。1分間安静時脈拍が少なくなってくるはずです。これは運動によって心臓が鍛えられ、心臓が一回収縮するたびに送り出す血液の量が増えたと思ってください。ですから、出来るだけ頻繁に安静時脈拍を計測することが重要です。また“運動しているのに安静時脈拍が増える!”という場合、今の運動量が多すぎる!ということが考えられ、オーバートレーニングの危険性がありますので、時間を短くするなど調整が必要でしょう。

 さて、ターゲット心拍数が算出でき、運動強度はある程度調節可能でしょう。次に重要なのは、運動時間です。強度に低い運動であれば、当然長時間継続可能です。高強度の運動では当然短時間の運動になってしまいます。40〜60%の運動であれば20分以上は継続できると思われます。だいたい体脂肪燃焼に必要な時間は20分以上と言われていますので、それを目安にしていただければ良いと思います。ただ最近の研究では、“分割払いOK”という結果が得られていますので、10分の運動を2回から3回に分割するのも有効な手段と思われます。ただ低強度の運動の場合、望ましいのは“一回20分以上の運動を出来るだけ毎日”ということです。

 効果が見え始めると運動は楽しいものです。しかし運動は身体にとってストレスの一部ですから、運動の強度や時間は守って過剰なストレスにならないよう注意しましょう!ただ、ストレスと回復を繰り返すことで身体の強化が起こることは言うまでもありません。各個人の体力に見合った運動内容を継続することが、重要になるでしょう。




    健康体操新聞                 
                                                          
トレーナー 大森 一史 
          第1回 2003年10月15日

◎身体を知ろう!サイド

☆体力とは・・・

 体力は、“身体の持っている力”のことで、下のようなものがあります。

  体力  行動体力  行動を起こす力   筋力

                      筋パワー(パワー=力×スピード)

               行動を持続する力  筋持久力

                      全身持久力

               行動を調節する力  平衡性(バランス)

                             巧緻性(巧みさ、正確さ)

                             協調性

                             柔軟性

                             敏捷性(すばやさ)

       防衛体力  物理化学的ストレスに対する抵抗力

                生物的ストレスに対する抵抗力

                生理学的ストレスに対する抵抗力

                精神的ストレスに対する抵抗力

                Etc.

 それぞれの体力要素を向上させるためには、それぞれの体力要素あったエクササイズを行う必要があります。しかしウォーキング(筋持久力・全身持久力のエクササイズ)をしたのに、なぜ筋肉痛が起こるのでしょうか?これは、トレーニング閾値に関係があります。

 トレーニング閾値とは、エクササイズが身体に影響を与える最低限度の強度のことです。一般的に日常生活において身体を動かす(たとえば普通に階段を登る、布団を上げるなど)強度は30%以下で行うことが出来ます。すなわちトレーニング閾値は30%と考えれば良いでしょう。ですからエクササイズは、30%を超える強度の運動を行った場合にエクササイズの効果が得られるのです。

 では、ウォーキングにて筋肉痛になったのは何故でしょう。これは筋持久力・全身持久力のエクササイズを行ったのですが、一つ一つの筋肉にとっては30%を超える負荷がかかってしまったためです。体重に対する筋力の許容量が少なかったため、ウォーキングでの一歩一歩が筋力トレーニングになってしまったのです。しかし体力は徐々に強くなります。筋力もその例外ではなく、次第にウォーキングを行っても筋肉痛が出なくなるでしょう。これはウォーキングが筋肉に与える影響が、30%以下の刺激になってしまったのです。すなわち筋力が強くなった証拠なのです。

身体を動かそう!サイド

☆ストレッチング→柔軟性のエクササイズ

要点 1 朝や運動・仕事の前は、軽く反動を使いましょう!
→軽く反動を使うことで神経が興奮し身体が活性化されるので、行動にミスが少なくなり怪我などの予防にもなります。


要点 2 夜や運動・仕事の後は、反動を使わずにゆっくり伸ばしましょう! 
→ゆっくり筋肉を引き伸ばすことで神経の興奮を沈め、筋肉や脳を安静にすることが出来ます。疲労回復を速やかに行うために良い効果が得られます。


要点 3 できるだけ大きな関節から動かしていきましょう!
→筋肉は基本的に関節をまたぐ様についています。だから関節を動かすことで筋肉を引き伸ばすことが出来ます。まずは大きな関節から動かして、大きな筋肉から伸ばしていきましょう。


  例えば・・・

   腰→腹筋→背中→胸→股関節→膝関節→肩関節→肘関節→足首→手首

要点 4 あまり強く引き伸ばさず、“伸びでいるなぁ”くらいで!
→強く引き伸ばしすぎると、引き伸ばしすぎで筋肉が切れてしまいます。オーバー・ストレッチと言われるもので、ひどい場合は肉離れになります。引き伸ばしすぎて筋肉に内出血が起こると、柔軟性の獲得どころか柔軟性が低下してしまいますので、“伸びているなぁ・・・”くらいの強度で伸ばしましょう。目安としては、呼吸を止めたり深呼吸しなくても良い範囲を思っていただければ良いでしょう。


要点 5 あまり筋肉に集中しないこと!
→あまり伸ばしている筋肉に集中しすぎると、筋肉が伸びないようになっています。これは人間の防衛本能が働くためなのですが、テレビを見たり会話を楽しみながらストレッチングしましょう。そして、たまに筋肉が伸びたかな?と確認していただく程度の方が、高い効果が得られます。


◎身体を守ろう!コーナー

☆痛みを考える

 まず痛みの種類を分類することが大切です。これは患者さん自身も理解して頂かなければならないことなのです。なぜなら、分類によって治療方針が決まってくるからなのです。それは?@急性外傷 ?A慢性障害 ?B姿勢症候群の3つに分類します。

@急性外傷の場合は、安静(時には固定)、冷却、圧迫、挙上です。

A慢性障害の場合は、治療による鎮痛とエクササイズによる強化が効果的なことが多い。

B姿勢症候群と呼ばれるものは、原因となる動作を見つけ出し改善することが必要です

 



















     専属トレーナー ・ 大森一史

◎子供には子供のスポーツを! 〜子供は大人のミニチュアじゃない〜

 子供は、成長を重ねて大人になっていくわけですが、子供は大人が小さくなっただけではないのです。身長が高くなったり体重が重くなったりする裏側には、様々なメカニズムが隠されているのです。その成長段階において、スポーツは成長を助長・増進するために、重要な役割を担っていることは言うまでもありません。

《脳・神経系の発達》

 生後まもなくの脳は約400g前後で大人の約30%に値しますが、6歳前後で大人の90%にまで成長すると言われています。その後末梢神経の発達は継続されますが、やがてはその成長も止まってしまいます。この末梢神経の発達が急速に行われる時期をゴールデン・エイジと言いますが、できるだけ早い時期からスポーツを経験させることで、脳や神経系の発達を促進・増大されることが認められています。

《骨格の成長》

 骨の成長は、筋肉や靱帯の発達よりもゆっくりと進行します。ピークハイトエイジ(身長が最も伸びる時期)を過ぎたからと言って、骨の成長が止まったわけではありません。オスグット・シュラッター病で知られる膝関節前面の成長は18歳前後まで続き、肩関節や骨盤に至っては20歳前後まで完成されることはありません。

 骨が完成されていない時期に骨や関節に過剰な負担をかけることは、骨の成長を阻害する可能性があります。もちろんスポーツをするわけですから、その危険性を全く排除することは不可能ですが、大人と同じような練習内容では骨や関節に過剰な負担をかけることになります。また、成長期の子供達には、成長の時期に大きな個人差が認められます。子供達には、子供達特有の練習方法で、成長の個人差を見極めながらスポーツに取り組むことが重要です。

《正しいフォームで楽しいスポーツ》

 脳から筋肉への命令の内容には、随意運動(意識して行う筋収縮)と不随意運動(無意識に行われる筋収縮)があります。随意運動は正確に表現できると言う長所がありますが、認知→判断→行動に時間がかかるという短所があります。一方不随意運動は認知→判断→行動のスピードは速いのですが、無意識にオートマチックに行われるため正確であるかどうかは正確な練習の繰り返しにより決定されます。ピアノの練習と同じように、最初はゆっくり正確に弾く練習を繰り返すことにより、徐々に速く弾けるようになるのと同じ原理です。脳や末梢神経系の発達が盛んな時期に、正しい蹴り方やステップの踏み方を練習することにより、生涯にわたって外傷や障害の少ないフォームを獲得することが可能になります。

Copyrlight 2003-2008, Milagroso Kainan. All right reserved.